kintoneのポータルを整理しないと起きる5つの問題|放置するほど現場が離れる
kintoneのポータルを整理しないと起きる5つの問題
kintoneを導入して半年、1年と経つと、アプリの数は確実に増えていきます。最初は10個だったアプリが30個、50個と膨らんでも、ポータルは導入時のまま——そんな状態になっていませんか?
「ポータルの整理は後回しでいい」と思っているかもしれません。しかし、整理しないまま放置すると、kintoneそのものが使われなくなるリスクがあります。この記事では、ポータルを放置したときに起きる5つの具体的な問題と、その原因、そして解決の方向性をお伝えします。
この記事でわかること
- ポータル未整理が現場に与える5つの悪影響
- なぜポータルは放置されてしまうのか(構造的な原因)
- 今日から始められるポータル整理の3つのアプローチ
問題①:必要なアプリが見つからず業務が止まる
kintoneのポータルを開いたとき、アプリ一覧には全アプリがフラットに並んでいます。

アプリが10個のうちは問題ありません。しかし30個、50個と増えてくると、必要なアプリを探すだけで毎回数分かかるようになります。
「あの申請アプリ、名前なんだっけ……」とアプリ一覧をスクロールし、見つからなければ検索し、それでも出てこなければ同僚に聞く。この作業を1日に何度も繰り返している人は少なくないはずです。
業務で使うアプリは人によって違います。営業担当は案件管理や見積もりアプリを、総務は経費精算や備品管理を使います。しかしポータルには全員に同じアプリ一覧が表示されるため、自分には関係のないアプリの中から必要なものを探さなければなりません。
1回のアプリ探しに2分かかるとして、1日5回、20人の社員が同じことをしていたら、月間で約33時間がアプリ探しに消えている計算です。
この問題の詳しい解決方法は、部署ごとにアプリを見せ分ける方法やアプリの整理術で解説しています。
問題②:重要なお知らせや通知を見落とす

kintoneの標準ポータルでは、お知らせ掲示板→通知一覧→未処理一覧→アプリ一覧の順に情報が並びます。この並び順は変更できません。
お知らせ掲示板にリンク集やグラフを詰め込んでいると、通知一覧や未処理一覧が画面のはるか下に押し下げられます。お知らせ掲示板が長すぎて通知が埋もれる問題は、ポータルが整理されていない環境では当たり前のように起こります。
さらに厄介なのは、お知らせ掲示板を更新してもkintoneの通知が届かないことです。掲示板に重要な連絡を書いても、ユーザーがポータルを開いて自分で確認しない限り気づきません。ポータルが見にくければ、開く頻度自体が下がります。結果として、重要な連絡が誰にも届かないまま埋もれてしまうのです。
お知らせ掲示板の構造的な限界については、お知らせ掲示板の3つの限界で詳しく解説しています。
問題③:新入社員や異動者がkintoneに馴染めない
ポータルが整理されていない環境では、新しく入ってきた人が最も苦労します。
既存メンバーは「あのアプリは上から3番目くらいにある」「あの申請はこのアプリから」と経験で覚えています。しかし新入社員や異動者にはその経験がありません。整理されていないポータルを開いて、数十個のアプリの中から自分が使うべきものを判断するのは困難です。
新人が最初に感じる3つの壁
| 壁 | 具体的な状況 |
|---|---|
| どのアプリを使えばいいかわからない | アプリ名だけでは用途が判断できない。「顧客管理」と「顧客マスタ」の違いがわからない |
| 情報がどこにあるか見当がつかない | マニュアルはお知らせ掲示板?スペース?アプリ内の添付ファイル? |
| 聞くのも申し訳なくなる | 忙しそうな先輩に「あのアプリどこですか?」と何度も聞けない |
この状態が続くと、新人はkintone=難しい・使いにくいという印象を持ちます。一度ついたネガティブな印象を覆すのは大変です。kintoneへの抵抗感が定着してしまうと、入力漏れや誤入力が増え、データの質自体が下がっていきます。
もし部署ごとにタブが分かれていて、「あなたが使うのはこのタブのアプリです」と案内できたら、新人のオンボーディングは劇的に変わります。
問題④:管理者に「あのアプリどこ?」が集中する
ポータルが整理されていないと、ユーザーが自力でアプリを見つけられません。その結果、質問の矛先は管理者に向かいます。
「経費精算のアプリはどこですか?」「この前作ってもらったアプリが見つからないんですが」「お知らせの内容って最新ですか?」——こうした問い合わせが毎日のように届きます。
管理者は本来、kintoneの改善や新しいアプリの構築に時間を使いたいはずです。しかし問い合わせ対応に追われて改善が進まず、改善が進まないからさらに問い合わせが増えるという悪循環に陥ります。
管理者が抱える悪循環
ポータルが整理されていない
→ ユーザーがアプリを見つけられない
→ 管理者に問い合わせが集中
→ 管理者が改善する時間がない
→ ポータルが整理されないまま放置
1人のkintone管理者が30人以上のユーザーを抱えている環境では、問い合わせ対応だけで1日の業務時間を圧迫されるケースもあります。管理者がつらいと感じる構造的な原因は、このポータル問題と密接に関わっています。
問題⑤:kintoneが使われなくなり、Excelや紙に逆戻りする
問題①〜④が解消されないまま時間が経つと、最終的に起きるのがこの問題です。
「kintoneは使いにくいから、結局Excelで管理するよ」「申請書は紙で出してもらったほうが早い」——現場からこうした声が上がり始めたら、kintone活用の危機的な状況です。
kintoneの導入には費用も時間もかかっています。しかしポータルが見にくいという理由で使われなくなれば、投資に見合った効果を得られないまま形骸化してしまいます。
| 段階 | 現場の反応 | 管理者の対応 |
|---|---|---|
| 初期 | 「アプリが多くて探しにくいな」 | 「慣れれば大丈夫」と放置 |
| 中期 | 「もうポータル見なくていいや」 | 問い合わせが増えて忙殺 |
| 後期 | 「Excelのほうが早いよ」 | kintoneの存在意義を問われる |
特に危険なのは、ポータルの見にくさが「kintoneの問題」として認識されることです。実際にはポータルの整理不足が原因なのですが、ユーザーはkintone自体が使いにくいと感じてしまいます。
なぜポータルは整理されないまま放置されるのか
ここまでの5つの問題は、多くのkintone導入企業で共通しています。では、なぜ整理されないまま放置されるのでしょうか。原因は主に3つあります。
原因①:標準ポータルの構造的な制約
kintone標準のポータルでは、表示できる要素と順序が固定されています。
- お知らせ掲示板
- 通知一覧
- 未処理一覧
- 参加スペース
- アプリ一覧
この順序は変えられません。情報を自由にレイアウトできるのはお知らせ掲示板の中だけです。つまり「ポータルを整理したい」と思っても、標準機能では打てる手が限られているのです。
ポータルデザイナーやJavaScriptカスタマイズを使えばレイアウトは変えられます。しかし、HTMLやCSSの知識が必要で、管理者一人で気軽に始められるものではありません。
原因②:管理者が一人しかいない
多くの企業では、kintoneの管理者は1〜2名です。アプリ開発、権限管理、ユーザー対応に加えて、ポータルの整理まで手が回らないのが実情です。
特にお知らせ掲示板の編集はシステム管理者しかできないため、各部署から「この情報を載せてほしい」と依頼が集まります。断りきれずに追加を続けた結果、全部盛りのポータルが出来上がります。
原因③:整理のタイミングを見失っている
kintoneを導入した時点ではアプリは少なく、ポータルの整理は不要でした。アプリが増えてきた頃には日々の業務に追われていて、整理するきっかけがありません。
「いつかやろう」と思っているうちに、ポータルの散らかり具合が常態化します。現場も管理者も「こういうものだ」と慣れてしまい、整理の優先度がどんどん下がっていきます。
ポータル整理を始めるための3つのアプローチ
「ポータルの整理が必要なのはわかった。でも何から手をつければいいかわからない」——そんな方のために、段階的に進められる3つのアプローチを紹介します。
アプローチ①:アプリの棚卸しから始める
まず取り組むべきは、現在のアプリの棚卸しです。
- 使われていないアプリはないか
- アプリ名だけで用途がわかるか
- 同じような機能のアプリが重複していないか
この棚卸しだけでも、ポータルのアプリ一覧はかなりすっきりします。アプリが増えすぎて探せない状況を改善する方法を参考に、まずは現状把握から始めてみてください。
アプローチ②:スペースで情報を分散させる
kintone標準機能の中で最も効果的なのが、スペースの活用です。部署やプロジェクトごとにスペースを作り、関連するアプリやお知らせをスペースに集約すれば、ポータルの情報量を減らせます。
ただし、スペースが増えすぎると管理が難しくなる点には注意が必要です。
アプローチ③:タブ整理ツールを導入する(おすすめ)

ポータルが散らかる根本原因は「整理するための仕組みがない」ことでした。ソトバコポータルは、この問題を解決するために作られたWebアプリです。

| 項目 | kintone標準ポータル | ソトバコポータル |
|---|---|---|
| アプリの分類 | 全アプリがフラットに一覧表示 | タブでカテゴリ分け |
| 部署ごとの出し分け | 不可 | 組織・グループ単位で閲覧権限設定 |
| 通知・未処理の位置 | お知らせ掲示板の下(スクロール必要) | サイドバーに常時表示 |
| お知らせ管理 | 掲示板のみ(通知なし) | kintoneアプリで管理(カテゴリ分け可) |
| 操作方法 | HTML/CSS/JSが必要 | ドラッグ&ドロップ |
| 導入時間 | — | 最短7分 |
「営業部はこのタブ」「総務部はこのタブ」と分けるだけで、各ユーザーには自分に関係するアプリだけが表示される状態になります。新入社員への案内も「このタブのアプリを使ってください」の一言で済みます。
7分で始められる導入手順を見ながら、まずは無料プランで試してみてください。フリープランは期間制限なしで、4タブまで利用できます。
まとめ
- アプリが見つからない——整理されていないポータルでは、毎回アプリ探しに時間が取られる
- 通知やお知らせが埋もれる——標準ポータルの固定レイアウトでは、情報が増えるほど重要な通知が下に沈む
- 新人がkintoneに馴染めない——整理されていない環境では「kintone=難しい」という印象が定着する
- 管理者に問い合わせが集中する——ユーザーが自力で解決できず、管理者が改善する余裕もなくなる
- 最終的にkintoneが使われなくなる——ポータルの見にくさがkintone離れを加速させる
ポータルの整理は「やったほうがいい」ではなく、kintoneを活用し続けるために必要な施策です。アプリの棚卸しから始めて、スペースの活用、そしてタブ整理ツールの導入と、できるところから一歩ずつ進めてみてください。
